
中古車オークションの参加主体は3者。すなわち落札者と出品者、それとオークション会場です。落札者は中古車を見て入札を行い、出品者は出品を行います。オークション会場は両者の仲介を行い、オークションがスムーズにいくように補佐します。
目次
中古車オークションの仕組み
中古車オークションでは、落札者及び出品者は落札料・出品料などの名目でオークション会場に対して数万円を納めます。この数万円がオークション会場の取り分となります。
具体例で見る中古車オークションの優れた点
中古車オークションでは、落札者及び出品者は落札料・出品料などの名目でオークション会場に対して数万円を納めます。この数万円がオークション会場の取り分となります。
中古車オークションでは、通常の中古車買取店に中古車を売るよりも高く売ることが出来ます。また、通常の中古車販売店で中古車を買うよりも、安く買うことが出来ます。その理由を説明します。
中古車買取店は通常、その買い取った自動車を中古車オークションや別の中古車販売店に売り、その差額を利益としています。
具体的な例を見てみましょう。ある中古車買取店Aは、ある一般客aから50万円で買い取った中古車を、別の中古車販売店Bに70万円で売りました。中古車販売店Aの儲けは70-50=20万円です。その後中古車販売店Bはしばらく店頭にその中古車を置いておきましたが、一般客の中に欲しがる人がいなかったため、その中古車を欲しがっている中古車販売店Cに80万円で売却することにしました。中古車販売店の儲けは80-70=10万円の儲けです。その後中古車販売店Cは、一般客bに100万円でその中古車を売りました。中古車販売店Cの儲けは100-80=20万円です。
さて、もう一度この自動車の流れを振り返ってみましょう。最初にaは中古車販売店Aに50万円で中古車を売りました。そして最終的にbは中古車店Cで100万円で中古車を買いました。
aは50万円で中古車を売ったのに、最終的にbは100万円で中古車を買っている。差額の50万円は、仲介に入った中古車買取店A、中古車販売店B、Cの懐に入っています。これがいわゆる「中間マージン」です。
これはa、bの立場からすればなんとも納得のいかない話です。最初から個人売買で75万円で売り買いしていれば、aは25万円高く売ることが出来た訳ですし、bは25万円安く買うことが出来た訳ですからね。
ただ、実際に中古車を個人売買で売るのは難しい話です。名義変更などの手続きはすべて独力でやらなければなりませんし、販売時のトラブルなどもすべて当人同士で解決しなければなりません。そのため多くの自動車ユーザーは、金銭的に損だということが分かっていても、中古車販売店や中古車買取店を利用せざるを得ないというのが現状です。
そのような状況を変えるために生まれたのが中古車オークションです。中古車オークションは中古車を買いたい落札者と中古車を売りたい出品者が直接売買するため、中間マージンが発生しません。その代りに出品料や落札料などがかかりますが、その額は中間マージンと比べれば微々たるものです。
具体的な例を見てみましょう。先ほどのaが、中古車買取店で中古車を買い取ってもらわず、中古車オークションを利用して中古車を売却し、bが中古車オークションを利用して中古車を買っていたらどのようなことになっていたでしょうか。
aはまず、中古車オークション代行業者のDに出品代行を依頼します。Dは依頼を受けて、中古車オークションにaの中古車を出品します。この際にaは売り切り価格(最低落札価格)を設定します。aは最低でも50万円以上で売りたいと考えていたため、売り切り価格を50万円に設定しました。もしオークションの最高入札金額がこの額を超えなかった場合は、オークションは不成立となり、中古車はaの元に返ってきます
一方、bは中古車オークション代行業者Eに落札代行を依頼します。Eは依頼を受けて、中古車オークションに参加し落札代行業務を行います。この際にbはおおよその限度額を設定します。bはどんなにいい状態の自動車でも、100万円以上のお金は出せないということで、限度額を100万円に設定しました。
さあ、競りの開始です。競りには当然、E以外の落札代行業者も参加します。オークションは予想外に盛り上がり、最低落札価格の50万円を大きく超え、Eが最高額の75万円を付けました。最低落札価格を超えましたので、オークションは成立となります。
さて、次にaは中古車オークション代行業者のDに対して代行手数料、出品料、オークション費用などを支払わなければなりません。これらの合計金額は場合によって異なりますが、大体10万円もあればおつりが来ることが多いです。ここでは合計金額が10万円だったとして、話を進めていきましょう。
するとaの手取りは落札額の75万円から代行手数料などの10万円を引いた額、つまり65万円になります。中古車買取店を利用するよりも、15万円も手取り額が多くなりました。
一方、bも中古車オークション代行業者のEに対して代行手数料、オークション手数料、応札手数料などを支払わなければなりません。これらの手数料も、大体10万円でおつりが来ることが多いです。ここでは合計金額が10万円だったとして、話を進めていきましょう。
するとbの支払う額は落札額の75万円に代行手数料の10万円を足した額、つまり85万円になります。中古車販売店を利用するよりも、15万円も安く上がりました。
何ということでしょう、aもbも中古車買取店・販売店を利用した場合よりも金銭的に得をすることが出来ました。
中古車オークション代行業者DおよびEは、aおよびbから受け取った代行手数料がそのまま利益となります。中古車オークション会場は、aおよびbが支払った応札手数料や出品料をD,Eから受け取ることが出来、これが利益になります。
一般ユーザーが多いに得するばかりでなく、その間に入る中古車オークション代行業者や中古車オークション会場にもしっかりと利益が配分される。これが中古車オークションの優れた点です。
また、中古車オークションは個人売買の場合と違って、クレーム制度が整っています。通常、個人売買の場合はノークレーム・ノーリターンが原則で、それゆえにトラブルが起こることも珍しくありません。また、名義変更を終了させる前に事故を起こしたりしてしまうと、前のオーナーの責任も問われる場合があります。
一方、中古車オークションの場合は、落札から一定期間(通常は1週間前後)の間に落札者が不具合に気が付いた場合は、オークション会場にクレームをつけることが可能です。
また、中古車オークションでは、オークションの本番前にオークション会場の検査員が中古車の状態をチェックします。チェック項目は内装や外装の評価、メーター改ざんチェック、オプションの有無の確認、総合的な自動車の状態の評価などです。これらの評価は出品者とも落札者とも直接的な利害関係がない中古車オークションの検査員が行うため、公平かつ公正です。
評価は出品票という紙に記載され、出品票は出品の時までダッシュボードに置かれます。この出品票は出品を迎えるまで、落札代行業者が自由に見ることが出来ます。落札後の名義変更も通常は代行業者がやってくれるため、楽ちんです。
このように中古車オークションは個人売買と比べると、アフターサービスや公平性が確保されています。中古車販売店・買取店を利用するよりもお得で、個人売買を利用するよりも安全・安心。これが中古車オークションの最大の良さであるといえます。